HANDS
不機嫌な顔のリュウを横目に、虎次郎を抱っこしたままクッションに座る。
「そんな嫌がらなくてもいいじゃ~ん。
心配しなくても今日は泊めてとか言わないから」
「あっそ」
リュウはベッドに座って、あたしを見下ろしていた。
虎次郎の肉球をぷにぷにしていると、振り払われた。
「ぷっ、お前虎にも嫌がられてんじゃん」
笑われた。ムカつく。
「うっさいなー。
でも虎はあたしのこと好きだもんねー」
「にゃあ~」
ほらほら~と嬉しくなってリュウのほうを向くと、またあの泣きそうな顔。
ヤバい…心臓が…。
なんでキューってなるんだろ。