悪女の秘密
「ちがうわよ!ばか…本郷雄大ね。」
本郷雄大…。
ふとそいつのネクタイが目に入る。
ラインが緑…
は!?
思わずネクタイを掴んでしまった。
「まさか…ちょっと、あんた?」
緑って…
もしかしなくても…
「そ、俺3年だけど?」
やっぱり…
家の学校は学年別に男子はネクタイ、女子はリボンのラインの色が違う。
1年は赤、2年は青、3年は緑。
で、こいつがつけてるネクタイのラインは…
「緑…。何で!?」
すっごいタメだと思って話してたのに…
「何でって…キミより早く生まれたんだからしょうがないでしょ?」
ってそうだけど…
「ま、俺が先輩だからって何も問題はない、と。」
た、確かに…?
だけど…
「あたし超タメ語なんだけど!」
「何、俺が先輩ってわかってたら敬語なわけ?」
クスクス笑いながら屋上の床に寝転がった。
「まさか、あんたに敬語つかうわけないじゃん?」
あたしもしゃがみ込みながらニッコリ笑顔で返した。