悪女の秘密


「あ、パンツ見えた。」


なっ!!!


「変態っ!!////」


最悪…////


「ま、しゃがんだお前が悪い。」


口の端をあげて笑うこの表情、なんとなくむかつく!


言い返す言葉がなくなり少しの沈黙。


まだ春の香りが残る優しい風があたしの鼻をかすめた。



この空間がとてつもなく心地良い。






「てか、莉子ちゃん俺の名前覚えてる?」



急にこちらに目をやられて咄嗟に目をそらしてしまった。



「…本郷、雄大?」


「ん。おけー。俺はあんたじゃなくて雄大だから。」



「わかったわよ。」


「じゃあ、言ってみ?」



は?


今?



「…雄大って言ってみ?」


名前を呼ぶことくらい普通のことなのに、改まって言われるとなんだか照れる。



「…雄大?」



「ん。ちゃんと呼べよ?」




< 13 / 25 >

この作品をシェア

pagetop