〜食物恋鎖〜



「送って行くよ」



そう言う彼氏を

無理に止めた



バレンタインを満喫する

いちゃつくカップルの中で

これ以上一緒にいるのは苦しい



商店街は赤やピンクのハートで

うるさいから



それを避けるように

近くの堤防沿いを歩いて帰った



結局

また言えなかった



冷たい風が

迷う心を通り抜ける



「あー、寒っ」




ん…?




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