Precious
「あ~お母さんたちいないって言ってたもんね~」

「朝起きれなかったんだもん…」

絢の席は菜々の右斜め後ろ。

着席しながら菜々と喋り続けた。

「1人暮らしいいよな~」

「よくないって! 1人とか淋しいよぉ…」

―ガラガラ

「おはようございます。」

担任の中原先生が入ってきた。

まだ30代くらいだと思う。

年のわりに綺麗な女の先生だ。







窓際だから外がよく見える。

「ねッ絢進路決めた?」

部活も終わると話題に上り始めるんだろう…

進路の話が。

「あたしまだ決めてない…

 でも進学する。」

「そっか…

 私看護学校行こうかな~

 って思ってるんだぁ…」




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