恋愛上等!~不良な彼氏~
…あッ!
廊下を歩いてると、コッチに向かって歩いてくる奏斗が見えた。
…まだ怒ってんのかな。
あれから授業にも出てなかったし。
なんか気まずい。
私が下を向くと、律が奏斗のとこに向かって歩き出した。
え!?ちょいちょいッ!
そっち行くなよ!
「奏斗!」
律の声に奏斗がこっちを向いた。
ギャーーッ!バカ律!
「…んだよ」
ゔー、ほら。まだ怒ってるじゃん。
奏斗は律を睨んだ。
睨まれているにも関わらず、律はニコッと笑って私を引き寄せた。
急に引っ張られたもんだから、私は律の胸にもたれ掛かってしまった。
「小夏と一緒に帰るんだ!ね?小夏」
律は私を引き寄せたまま言った。
奏斗は睨んだまま私を見る。
「あ、あぁ」
「ということだから。じゃあね、奏斗」
律は笑顔で言うとまた私の手を引っ張って歩き出した。
…ちょッ!引っ張んなよ!
つーか、何のために奏斗を呼び止めたんだよ!
意味が分からん。
律を見たけれど、まだ笑っていて何を考えているのかさっぱり分からなかった。
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