恋愛上等!~不良な彼氏~
「…奏斗は家に入れたのに」
「え?」
律は立ち止まってボソッと言った。
「奏斗は家に入れたのに、何で俺はダメなわけ?」
いや、それは奏斗が家をボロいって言うと思わなかったからで。
律だからダメっていう訳でなく…
「別にそういう訳じゃ…」
「じゃあ入れてよ」
…だから、私の家自分でも認めるほどボロいんだって。
「と、とにかく!ダメなもんはダメだ!」
私はそう言って自分の手で両耳をふさいだ。
…これ以上律が家に入りたいって言うのを聞かないために。
「ふーん…」
律は一瞬私から視線を逸らした後、小さくフッと笑ってコッチに手を伸ばした。
─ドンッ!
「…ッ…!」
「…ッ!何すんだよ!」
律は私の腕を掴み、壁に押し付けた。
私は壁と律に挟まれた状態になってしまった。
…ヴッ!地味に背中痛い。
ヒリヒリする…。
そ、それより!手離せェ!
律が強い力で腕を掴んでいるため、離れない。
「…おい「…シッ!」
律は人差し指を自分の唇にあて、私の言葉を遮った。
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