恋愛上等!~不良な彼氏~
……。
…って!
「シッ!」じゃねーよ!!
一瞬素直に黙っちまったじゃねーかッ!
何が「シッ!」だよ。
それに従っちゃう私って…
ホント素直な良い子だよねー!
(馬鹿)
素直で良い子なんだけどさ、そろそろ離してくんないかなぁー?
離さないと私の血管が浮き出てくるよ?
てか浮き出たよ。
「…離しやがれ、赤茶ヤロー」
(血管切れた)
「え?何なに?」
「…(怒)だからァ!離せって言ってんだろっつーか、ちけーッ!」
律の顔が目の前にあり、前髪が私の鼻に当たるほど近かった。
どんだけ近いんだバカヤロー!
「てめぇ、離さねぇと失神させ…」
─パッ!
そう言った瞬間、私の腕を掴んでいた律の手が離れた。
「秋哉から小夏の恐ろしさは聞いたからね」
律はハハッと笑いながら言った。
…秋哉、明日覚えてろよ?
容赦しねーからな。
「しょうがない。今日は諦めようかな」
律はそう言ってニッコリ笑った。
オッ!諦めてくれた!
「おう!今日は諦めろ!」
これで悲しい気持ちにならずにすむ。
…ってか、自分で認めちゃってる時点で悲しい?
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