恋愛上等!~不良な彼氏~
「その代わり、明日が楽しみだな。ね?小夏?」
…いやいや、同意を求められても。話の流れが分かりませんよ?
「じゃあ俺は帰るよ。バイバイ、小夏!」
私の返事も聞かずに背を向けると、律は今来た道を戻っていった。
「…何なの?」
律って謎すぎる。
何考えてんだかサッパリ分からん。
私は律の後ろ姿を見ながらそう思った。
─────────
「今日はいい天気だぁ!」
私は腕を伸ばして空を見上げた。
雲一つない…とは言えない空だけど
心地良い風が私の頬を…
「小夏ちゃん、寒いから窓閉めてくれる?」
「……」
…心地良い風…
─バタン
はい、寒いので閉めました。
「ありがと!」
由奈はそう言ってニッコリ笑った。
私は今日も余裕を持って登校した。
朝のホームルームが始まるまでまだ時間がある。
昨日は秋哉のせいで遅刻扱いになっちまったからな。
今日は…
よしッ!まだ来てねーみたいだ。
まぁ来たらきたで一発殴ってやるけどな。
(律に私が恐ろしいと言ったから)
─ガラッ!
私が手をポキポキと鳴らしながら独り笑っていると、勢いよく教室のドアが開いた。
.