恋愛上等!~不良な彼氏~
一気に言ったせいでぜぇぜぇと息を切らす私に対し、奏斗は目を見開いたまま固まっていた。
「…は?」
私が息を整えた頃にやっと口を開いたかと思えば…
それだけ?
私の方が「は?」って言いたいんですけど。
「え?じゃあ律とは何もねぇってこと…?」
奏斗は私から離れると、きょとんとした顔で言った。
「ねぇーよ!!」
当たり前だろ!
私がそう答えると奏斗は下を向いた。
「…ッあいつ…!」
舌打ちをした奏斗の顔はほんのり赤かった。
片手で顔を覆ってため息をつくと、チラッと私を見た。
「な、なんだよ!」
その姿にまた顔が赤くなる私って、変なんだろうか。
途端、奏斗は私の腕を引いて自分の腕の中に引き寄せた。
「え?かな…」
「良かった…」
奏斗は小さな声でそう言うと私の肩に頭をのせた。
…ちょッ!
し、心臓の音が聞こえちゃうって!
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