恋愛上等!~不良な彼氏~


一気に言ったせいでぜぇぜぇと息を切らす私に対し、奏斗は目を見開いたまま固まっていた。






「…は?」



私が息を整えた頃にやっと口を開いたかと思えば…


それだけ?


私の方が「は?」って言いたいんですけど。






「え?じゃあ律とは何もねぇってこと…?」


奏斗は私から離れると、きょとんとした顔で言った。


「ねぇーよ!!」



当たり前だろ!


私がそう答えると奏斗は下を向いた。



「…ッあいつ…!」


舌打ちをした奏斗の顔はほんのり赤かった。


片手で顔を覆ってため息をつくと、チラッと私を見た。




「な、なんだよ!」



その姿にまた顔が赤くなる私って、変なんだろうか。




途端、奏斗は私の腕を引いて自分の腕の中に引き寄せた。



「え?かな…」


「良かった…」



奏斗は小さな声でそう言うと私の肩に頭をのせた。







…ちょッ!


し、心臓の音が聞こえちゃうって!




.
< 109 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop