恋愛上等!~不良な彼氏~
「小夏」
奏斗は抱き締める力を強めた。
…い、今奏斗何て…?
小夏って言った?
「…奏斗?」
私が呼んだ途端、奏斗は肩から頭を離し、片手で私の顎を持ち上げた。
その手を背中に戻すと私の目を真っ直ぐ見た。
「俺、律とお前がキスしたって聞いてマジ焦った」
奏斗は少し顔を赤らめると目を逸らした。
「…え?」
「それに、手繋いでんの見てすんげぇムカついた」
再び視線を私に戻した奏斗は目を細めた。
な、なんか…
「…すいません」
もしかして怒られてる?
私は睨まれるのに耐えきれず、視線を逸らした。
すると奏斗は私の顎を掴み、私を無理矢理奏斗の方に向けさせた。
「ホントだ、バーカ!」
そう言ってまた私を抱き締めた。
「律と一緒に帰んじゃねーよ」
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