恋愛上等!~不良な彼氏~
「…小夏も馬鹿だなぁ」
律が横でハァとため息をつきながら言ったが
…何が?
「別にィ」
なんだよ。…ってあッ!
もう時間ない!
「奏斗!早くしろ」
「んー…ゔッ!」
私は奏斗の腕をグッと掴み、勢いよく保健室を出た。
───────────
「ふはぁ。間に合ったぁ」
私はポキポキと首の骨を鳴らし、腕を伸ばした。
奏斗を無事体育館に連れて行き、秋哉に託してきた。
今から練習しても、なんとか間に合うだろ。
まぁ、本番失敗してもそれはそれでウケるけどね。
それより、私には仕事がまだまだあるんだよね。
「小夏!」
クラスの子が私に駆け寄ってきた。
手には束になった紙を持っている。
「はい!裏方Sは宣伝でしょ?これ、配って」
そうそう、これこれ。私の仕事は。
裏方Sは劇の宣伝をしなくちゃいけないんだよね。
私は紙を受け取り、配りに行こうとした。
「あ。待って」
呼び止められて振り向くと…
目の前に服らしき物を差し出された。
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