恋愛上等!~不良な彼氏~



「そこの君たち!」


私はサッと二人組の男の子に近寄り、声をかけた。


突然の私の登場に立ち止まった二人は目を大きく見開いている。



そんな二人に私はお構いなしに言葉を続ける。



「君たち、今シンデレラを見たいって思ったよね?」



「え?いや…」



「そんな君たちにコレをあげよう!はいッ!見に来てね〜」


無理矢理ビラを渡し、ニコッと笑った。




「「…はい」」


ビラを受け取った男の子たちはそう言うと、体育館の方へと向かった。


やりぃ!客ゲッツ!


これで十五人目!


さすが私!




「へぇ、いいじゃんキャット」


振り向くと、私と同じように手に何枚ものビラを持った律がいた。


裏方Aも宣伝か。



「てか、何がキャットだよ。意味わかんないし」



猫なんてシンデレラに全く関係ないじゃん。


それなのに、猫の格好して宣伝するとか矛盾してんだろ。



「直に分かるよ。それより、もうすぐ始まるから俺らも行こーよ」



ホントだ。もうこんな時間。


可愛い由奈の姿と面白い奏斗を見なくちゃ!



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