恋愛上等!~不良な彼氏~
人気が出ちゃったら、奏斗を好きになる女の子が出てくるって私は思ったわけよ。
見事に当たっちまったし。
「ヒューヒュー!奏斗!」
「生で告白現場見ちゃった」
律は奏斗をひやかし、由奈は顔を手で覆い照れている。
…フッ。
律、お前。
「……ゲッ」
「……何しとんじゃ、ボケェエー!」
叫びながら跳び蹴りを一つ、律にくらわした。
お前、彼女がいる前で奏斗をひやかしてどうすんじゃッ!
「ゲホッ!…すみません」
私は二人が気になり、奏斗と女の子を見た。
まだ二人はお互い、向き合っている。
何で、奏斗は早く断んねーんだよ。
「…だから?」
「え?」
奏斗は女の子の顔をじっと見ながら言った。
女の子は奏斗と目が合い、顔をポッと赤らめている。
…なんか、腹立つ。
「だから、私と付き合ってほしいんですっ!」
─ブチッ
血管が切れた私は律を離し、二人のもとまで全力で走った。
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