恋愛上等!~不良な彼氏~
てか、そろそろ退いてほしい。
…重い。
「奏斗、退けよォ!おーもーい!」
まだ私の上に全身を預けている奏斗に、体を揺さぶりながら言った。
「…んー…」
奏斗は頭をさすりながら、体を少し起こした。
「ほら、退いて退い…わッ!」
私が奏斗を押すと、奏斗はバッと目を開けた。
その目は直ぐに、近くに立っていた律に向けられた。
わぁお。今日も凄い睨みですね。
ほら見ろ。律なんか、ヤバって言う顔してるぞ。
奏斗の視線に気付いた律は固まっている。
と、何かひらめいたのか、目を大きく見開いた。
…あの顔、絶対よからぬことを考えてるに違いない。
「俺じゃなくて秋哉だよ!だってほら、投げた物って秋哉の携帯だったわけだし」
「……」
…最低だァア!!
自分の罪を秋哉に擦り付けようとしてるよ!
律は携帯を見てる秋哉を指差した。
「…え?は?」
うん。そうなるよね。
突然そんな事言われたらそういう反応になるよね。
秋哉は奏斗と律を交互に見てる。
私さ、この後起きること大体想像できるんだけど。
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