恋愛上等!~不良な彼氏~
「ちょっ、ま、待ってよ!俺じゃない!俺じゃないってー!」
秋哉が反論するよりも早く、奏斗は秋哉を捕らえた。
「ぐはッ!」
…やっぱりね。
奏斗にやられて終わりだろ?
「ふぃ、助かったぜ!」
あ、最低人間が近付いてきた。
わざとらしく汗を拭い、安心しきった様子で息を吐いている。
秋哉もよくこんな奴と友達やってるよな。
「小夏!何ため息ついてんの?…あ!もしかして悩み?」
最低人間は私の隣に腰を下ろすと、ニコニコしながら聞いてきた。
…オイ。普通、その言葉は心配そうな顔をして聞くんじゃねーのか?
何嬉しそうに笑ってんだよ。
「ほらほら言ってごらぁん?俺が聞いてやるってぇ!」
ここまでウザイと思ったことはない。
私の血管があと少し、ほんの少しで切れそうだ。
「っと、じょ、冗談に決まってんだろ?…だから、手下げろって」
律は私の拳がわなわなと震えていることに気づき、すぐさま撤回した。
…調子のいい奴め。
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