恋愛上等!~不良な彼氏~
「もうすぐ体育祭でしょ?」
由奈は体勢をもとに戻すと、ニコリと笑った。
体育祭?
はて、そんなこと言われたっけ?
身に覚えがないんすけど。
「体育祭やるの?」
「そうだよ。今日の朝、先生言ってたじゃん。忘れちゃったの?」
あぁ、それなら私が知らないのも当然だ。
だってその時の私の頭は、誰の何の言葉も受け付けなかったもん。
大きな悩みがあったから………
「……ねぇ、体育祭って言った?」
私は暫くの沈黙の後、由奈に尋ねた。
「ん?うん!」
………
ピーン!!!
それだッ!
「…小夏ちゃん?」
私は手のひらをポンと叩くと、由奈の方に顔を向けた。
「由奈、サンキュー!これで、決着がつく」
私の言葉に由奈は首を傾げた。
私、すごいこと思い付いちゃったかも!
私は微笑みながら由奈の手を握り、ブンブンと振った。
由奈は訳が分からない様子で、キョトンとしている。
フッフッフッ!
これでアイツも…!
私って天才だな!
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