恋愛上等!~不良な彼氏~
「…で、何で勝負するの?」
ブリ子は睨んで言った。
ん?あれ、言ってなかったけ。
うわー、一番肝心なところを言うの忘れてたよ。
私は咳払いを一つして、指を突きつけた。
「コホンッ!それは…
体育祭だッ!!!」
どうだ!何というステキなアイディア!
心身共に使うこの体育祭こそ、私とブリ子にピッタリな勝負ではないかッ!
「…体育祭ねぇ」
ブリ子はボソッと呟くと、顎に手を添え何か考え始めた。
おや?おやおや?
もしかしてのもしかして、自信ない…とか?
戦う前から私の勝ち!みたいな?
私が目を輝かせながら笑っていると、ブリ子は私をジッと見た。
意味ありげに微笑むと、手を腰にあてた。
「その勝負、受けて立とうじゃないの」
えー…、マジかよ。
私の淡い期待が…
まぁいい。
勝負してこそ、やりがいがあるってもんだ。
私も全身全霊かけて、勝負に挑んでやるッ!
「…勝手にやってろ」
すると、後ろから奏斗の声が聞こえた。
…奏斗?
奏斗はそれだけ言って立ち上がると、私を睨んで屋上を出て行った。
…何か、怒って…る…?
奏斗の不機嫌そうな顔と声に、私は一瞬固まってしまった。
私、気に障ることでも言った…?
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