恋愛上等!~不良な彼氏~
「奏斗くんも見てたでしょ?勝負は私が勝ったのよ。だから…」
「黙れ」
ブリ子が奏斗の腕に絡みつくと、奏斗はそれを振り払った。
さすがにブリ子も、この奏斗の言動に黙り込んだ。
いつも以上に切れ気味の奏斗。
やっぱりまだ怒ってるんだ。
奏斗はブリ子を睨んだ後、私のことも上から睨んだ。
めっちゃ怒ってる。
こりゃあ、おふざけなんて出来ない。
したら…
「俺がいつ、その勝負を許可した?」
「え?」
奏斗は座っている私のもとに近付いてきた。
「なぁ、いつ言ったよ。俺は物じゃねーんだ。勝手に俺で賭けをすんじゃねぇ」
…あ。
そういうことか。
…私、バカだ。
そりゃあ怒るよ。
私が勝手に勝負を挑んで、奏斗で賭けをしたら。
…由奈の言ってたことが分かったよ。
私、奏斗の気持ち、全然考えていなかった。
奏斗のためと思って挑んだこの勝負も、結局は自分のことしか考えてなかったんだ。
奏斗は物じゃない。
「ごめん…奏斗」
そりゃあ怒るよな?ごめん。
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