恋愛上等!~不良な彼氏~
「お前、何に謝ってんの?」
下を向いた私の上から、奏斗が静かにそう言った。
何にって…
「奏斗で賭けをしたことだ。勝手に私が…」
「ハァー……」
「…え」
ナゼため息?
奏斗は髪に手を埋めると、でかいため息をついた。
ち、違うの?
だってだって、俺は物じゃねぇとか言ってたじゃん!
「別にそっちではあまり怒ってない」
「えぇ!?じゃあ、奏斗で賭けをして良かったってこと?」
「…そうは言ってねーよ」
わっかんねぇ!
じゃあ一体何に怒ってるって言うんだよッ!
私が頭を掻き乱していると、奏斗はまた一つため息をついた。
「お前さぁ、俺をどう思ってるわけ?」
「…と、言いますと?」
「……。俺のこと、信じてないのかってことだよ」
奏斗は眉を顰めながら顔を上げた私に言った。
ン?信じる…?
それ、確か由奈にも言われた気がする。
『奏斗くんを信じてあげなくちゃ』って。
信じるって…
「俺がお前以外の奴を好きになると思うか?」
「うん」
「……」
いつ奏斗に飽きられるか分からないじゃないか。
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