恋愛上等!~不良な彼氏~
「…ウザいわ」
「まぁまぁ、拗ねるなって!」
私は頭をさすりながら立ち上がった。
何気に力強いんだよ、コノヤロー。
「あーあ、もう。これじゃあ私の惨敗ってことじゃない」
「……」
ブリ子はため息をつき、そっぽを向いて言った。
「最初から勝ち目が無かったっていうのが気にくわないけど。…でも、奏斗くんは私には微笑んでくれないものね」
ブリ子は自嘲気味に笑いながら、私と奏斗の方に振り向いた。
ブリ子、ごめんな?
奏斗は私が好きなんだってぇ〜!
これはしょうがないよねぇ〜。
フフフッ!っーことで諦めな。
「…その顔、キモイ。言っとくけどコタツ、私が身を引いたんだからね。振られたわけじゃないわよ」
うわっ。負け惜しみだ。
つーか、文化祭の時に、はっきりと振られてんじゃねーか。
でも、
「まぁそういうことにしといてやるよ」
心優しいからな、小夏さんは。
…お?
っていうことは…?
この勝負、私の勝ちィーッ!
ってことにしてくんない?
主人公は普通、敵に勝つもんなんだから。
頼むッ!
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