恋愛上等!~不良な彼氏~
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俺が奏斗を追いかけると、小夏たちが見えた。
でもその近くに、由奈が隠れながら三人を見ていた。
…怪しいよ、由奈。
俺が由奈に近付くと、由奈はビクッとして振り向いた。
「な、なんだ律くんか…」
俺は笑って、由奈と同じように隠れ小夏たちを見た。
…あ。そうだ、俺。
由奈に聞きたいことがあったんだよね。
「ねぇ由奈」
「なに?」
俺が話しかけると、由奈は首を傾げた。
「開会式の前に、小夏に言ったでしょ?『奏斗の気持ちを考えて』って」
「あ、聞いてたの?」
「うん、まぁね。で、何でそう言ったの?それが気になってたんだ」
俺が言うと、由奈はあぁと言って、微笑んだ。
「あぁ、だって…」
そして、ニヤニヤしている小夏と、呆れ顔の奏斗に顔を向けると
「だって、奏斗くん。校庭で練習している小夏ちゃんを、教室からずっと見てたんだもん」
由奈はそう言って、俺の方を向いて笑った。
…へぇ、奏斗が。
それは気付かなかったな。
あれ、じゃあ俺らが小夏と練習しているの見て…
あー、だからさっき。
小夏のことを話したとき睨まれたのね。
てか、やっぱり睨まれたんだ、俺。
はぁ。ッたく、俺らなんかにヤキモチやくなよ。
誰の為に練習したと思ってんだってね。
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