恋愛上等!~不良な彼氏~
「…腹減った」
私たちのたまり場に向かう途中、私のお腹がぐぅ〜っと悲鳴をあげた。
…あー、体力使ったらお腹が空いてきたわ。
ッて、私はガキかッ!
「ははッ!いつもの買ってやっから、もう少し我慢してな」
私のお腹の音を聞いて、椿は大声で笑った。
ッて、おめーは私のかあちゃんかッ!
…でも、買ってくれる?いつもの…?
ハッ!!!!
私の元気の源ッ!
あの、あの!うまい棒ゥ!?
「くくッ!ホントに好きだな、小夏は」
私は目を瞬かせ椿を見上げた。
キャー!何味買おっかな!あ、新作にしちゃおうかなぁー!
一人舞い上がっている私は、スキップをしながらたまり場まで向かった。
「おッ!やっと来たよ。おせーぞ、二人とも」
早くに来ていた仲間たちが、私と椿が到着すると同時に声をかけた。
相変わらず、はえーな。お前ら。
つーか、喧嘩した後だっつーのに、元気だな。
「わりぃな。あ、小夏」
仲間たちの輪の中に入った椿は、ポケットを探った。
「?」
「ん、あったあった」
そう言って椿はポケットから小銭を数枚取り出すと私に渡した。
「ほら、これで買ってきな。小夏の好きなもん」
オォ!あなたは天使だ!
喧嘩してる時の顔は悪魔っつーか大魔王だけど、今は、今だけは天使に見える!
私はお金を受けとり、近くのコンビニへと走った。
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