恋愛上等!~不良な彼氏~



私は椿と少し距離をとって話し始めた。



「だからさ?いいなぁって思ったんだよ。学校が」


「…は?」



学校の雰囲気も生徒たちもなんか楽しそうで、今までそんな学校があったなんて知らなかった。



それに、なにより



「女子高生ってかわいいな」



私がはぁとため息をつくと、ポカンとしていた椿が私に顔を向けた。



「くははッ!なんだそれ。真顔で言うか?普通」



椿はクスクス笑いながらコーヒーを飲んだ。



…めっちゃバカにしてるだろ。



だって、可愛いもんは可愛いんだもん。



私とは全く違くて、私もあの子たちみたいになれたら…


まぁどうせ、私には無縁のことだけどさ。



私が頬を膨らませながらそっぽを向いていた、その時─



バタバタと走ってくる音が聞こえ、私たちはその音に耳を傾けた。



─バタバタバタ



「小夏、椿ッ!大変だッ!美沙が…」



走ってきたのは仲間の一人で、叫びながら私たちを呼んだ。



…美沙?



走ってきた仲間の深刻そうな顔を見る限り、それはただ事ではないことが分かる。


私が椿に顔を向けると、椿も私と同じことを思ったのか、頷いた。



一体美沙に何が…?



もしかしたら…



最悪な事態になっていないことを祈りながら、私と椿はすぐに、美沙のもとへと向かった。






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