恋愛上等!~不良な彼氏~
「美沙ァ!!」
叫びながら、美沙がいると思われる場所へ向かう。
仲間の後に付いていくと、そこは私が最近喧嘩したばかりの場所だった。
ここって…
まさか!
「やっと来たか。おせーんだよ」
息を整える私の目の前に、夜でも目立つ赤髪の女が現れた。
「お前…!何のつもりだッ!」
私の思った通りだ。
ここはついこの前喧嘩した、赤髪女に勝った場所だ。
まだ懲りてなかったのか。
…はッ!美沙!
私は赤髪女よりも、美沙の姿を探した。
どうか無事で…
「小夏…」
すると、私の隣にいる椿が私に目をやり、その後視線を変えた。
椿の向く方を見ると…
「み……」
…なんてこと!
私の目に映ったのは、女どもに両腕を掴まれている美沙。
その顔には、無数の傷。
「…ッ!」
私は怒りがこみ上げてきて拳を握った。
美沙に、よくも美沙にこんなことしたなッ!
「バカだよね、お前も。こんな子とつるんでさ。こうなる事くらい予想してなかったわけ?」
赤髪女はフッとバカにしたように笑った。
私はこの言葉に、握り締めていた拳を少し緩めた。
…あまく見てた。
赤髪女の言ってることは全くその通りで。
言い返すことの出来ない自分に苛立ちを覚えた。
私が、あの時美沙を連れて行かなければ。
私はとんでもないことを…
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