恋愛上等!~不良な彼氏~
「お前ら、本当に卑劣な奴らだな。これで弱み握ったつもりか?」
黙り込んだ私の横で、椿は一気にまくし立てガンを飛ばした。
椿…
「ハッ!実際そーだろ?この女のことだとすぐに飛んで来る」
鼻で笑い、私たちをバカにしてくる。
…許せない。
「この前の落とし前つけてやろーじゃん」
…絶対に許さねェエ!
私は力強く拳を握り、ギッと赤髪女を睨んだ。
「ア゙ァァーーッ!!」
私は叫びながら赤髪女に殴り込み、それが合図かのように椿たちも参戦した。
絶対に、絶っ対に…!
────────
────…
「はぁ…はぁ…」
私は息を整えながら、切れた口の端を拭った。
…終わった。
地面には赤髪女の率いる奴らが伸びている。
ったく、一度負けてんだから諦めろよ。
そして私は、フラつく足で美沙のもとへ向かった。
「美沙……」
「…小夏さん」
顔を上げた美沙に、私は頭を下げ謝った。
「ごめん。ホントにごめん…」
こんな目に遭わせてしまったのは私のせいだ。
許してくれないのは分かっているけど、私はずっと頭を下げていた。
「小夏さん、私は…」
「家まで送る」
今は取りあえず、この場から美沙を遠ざけないと。
私は椿に後を任せて、美沙を連れその場を去った。
美沙を送る途中に一言も会話はなく、私も美沙も、ただ無言で歩いていた。
ひたすら美沙に謝り、家に入っていくのを見届けた私は、歯を食いしばりながらたまり場へと向かった。
.