恋愛上等!~不良な彼氏~


──────…



「小夏、美沙は?」


たまり場に来ると、傷の手当てをしていた椿が私に近付いてきた。


「ん、送ってきた」



私は消毒液を渡され、自分の腕や足にかけた。


…染みる。でも、美沙の方がもっと…



「なぁ小夏、まさかとは思うけど、もう美沙に会わないなんて言わないよな?」


「……」



椿に問われ、私は黙り込んだ。


その、つもりだよ。



「…はぁ。バカなこと考えてんじゃねーよ」



椿は額に手を当てため息をついた。



だって、私といたから美沙はあの赤髪女に襲われたんだ。


美沙だって、私にはもう会いたくないに決まってる。


あんな目に遭わせてしまったんだから。



…合わす顔がない。


それに、会う資格さえもないんだよ、私には。





───────‥‥



数日後、私はいつも通り、たまり場にいた。


ただ、何か物足りない。


何もせずにボーっとしてる。


分かってる。こうなっている原因は分かってるんだ。



…美沙がいないから。



「…はぁ」



私にとって美沙って大きい存在だったんだな。


もっと美沙といれたら私、何か見つけられそうだったんだけど。




「小夏さん!」



あぁ、私ってば、あまりにも美沙のことを考えすぎて幻聴まで聞こえてしまうとは。


…重症だ。




「小夏さんってば!」



「えぇ?」



ヤバッ!幻覚までぇ!?


うっそーん、ヤバくない?私。



セーラー服を着た美沙が私の目の前に立っている。





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