恋愛上等!~不良な彼氏~
…ナゼ深夜に?
思い出を作るなら昼間でも良かったんじゃないの?
「真夜中に外に出たことがなかったので。でも、怖い人達に囲まれるとは思いませんでした。…怖かったです」
シュンッとなった美沙の姿に、思わず私は笑みがこぼれた。
その途端美沙は顔を上げ、私の顔を見るとまたにっこり笑った。
「…ン?」
「やっと笑ってくれた、小夏さん」
「……っ」
それはっ
私は美沙に会う資格なんてないと思って…
「私は、小夏さんに会いたくて会いたくて、仕方なかったです。…だって私、小夏さんに憧れてるから」
…へッ?
美沙が言ったことに私は首を傾げた。
い、一体私の何に憧れるっていうんだ。
私なんか学校にも行かないただの不良。
憧れる要素なんか一つもないじゃないか。
「自由で、自分の気持ちに素直なとことか、私には持っていないものばかりで羨ましかったんです」
私は美沙の言葉に目を見開いた。
私だって美沙に憧れをもっていたんだ。
自分の知らないことばかりを教えてくれた美沙に。
互いに羨まし合ってたっとことになるのか?
「美沙、私も美沙に憧れてた。女子高生っていうのが楽しそうで、なってみたいって思ったんだよ?」
ニカッと笑ってそう言うと、美沙も驚いた様子で大きく目を開けた。
互いに憧れ合ってたなんて驚いたな。
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