恋愛上等!~不良な彼氏~



「小夏さん!私、決めましたッ!」



いきなり立ち上がった美沙は私に振り向いた。



「私…アメリカに行ったら、小夏さんみたいになります!自分の気持ちに素直に生きていきますッ!」



美沙、ダメだよ。私みたいになったら。


ろくな人間じゃないんだから。



「なるんなら椿の方がいいと思うよ?」


「ん〜、椿さんもいいですけど、あそこまでクールにはなれません」



それは言えてるな。


美沙が椿みたいに…



うん、ダメ。ヤダ。想像したくないッ!


美沙が私みたいになるんなら…




………あッ!!



「だったら!だったら私も、美沙みたいになる!女子高生、なってやろーじゃん!!」


私はその意志と共に拳を握った。


そうだよ。なってみたいと思うなら、なればいいんじゃん。


私も美沙みたいな女子高生にッ!



「わぁ!いいですね。じゃあ今度会うときは、小夏さんは学校に通ってるんですね?」


「おう!今度会うときは、私は華の女子高生だ!美沙、ビックリするぞ!」



決めたよ、私。絶対に、華の女子高生になるッ!

喧嘩ばかりの不良生活も止めて、美沙みたいな女子高生になってやるんだ!



──‥そうしてアメリカに行った美沙を見送り、私は椿に全てを話した。


椿は私に一言「頑張れ」だけ言い、ニカッと笑った。



憧れの女子高生…いや、憧れじゃなくて、本当に女子高生になってやるッ!


…ただ、美沙と会うのはずーっと先になりそうだけど。



華の女子高生




上等だァァ!!






< 255 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop