恋愛上等!~不良な彼氏~
「小夏さん!私、決めましたッ!」
いきなり立ち上がった美沙は私に振り向いた。
「私…アメリカに行ったら、小夏さんみたいになります!自分の気持ちに素直に生きていきますッ!」
美沙、ダメだよ。私みたいになったら。
ろくな人間じゃないんだから。
「なるんなら椿の方がいいと思うよ?」
「ん〜、椿さんもいいですけど、あそこまでクールにはなれません」
それは言えてるな。
美沙が椿みたいに…
うん、ダメ。ヤダ。想像したくないッ!
美沙が私みたいになるんなら…
………あッ!!
「だったら!だったら私も、美沙みたいになる!女子高生、なってやろーじゃん!!」
私はその意志と共に拳を握った。
そうだよ。なってみたいと思うなら、なればいいんじゃん。
私も美沙みたいな女子高生にッ!
「わぁ!いいですね。じゃあ今度会うときは、小夏さんは学校に通ってるんですね?」
「おう!今度会うときは、私は華の女子高生だ!美沙、ビックリするぞ!」
決めたよ、私。絶対に、華の女子高生になるッ!
喧嘩ばかりの不良生活も止めて、美沙みたいな女子高生になってやるんだ!
──‥そうしてアメリカに行った美沙を見送り、私は椿に全てを話した。
椿は私に一言「頑張れ」だけ言い、ニカッと笑った。
憧れの女子高生…いや、憧れじゃなくて、本当に女子高生になってやるッ!
…ただ、美沙と会うのはずーっと先になりそうだけど。
華の女子高生
上等だァァ!!
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