恋愛上等!~不良な彼氏~
このボロいドアを壊されたら、これから寒くなる時期、私生きていけない。
─ガチャ
ドアを開けると目の前には
オレンジに近い明るい茶髪、そして前髪をピンで留めている、可愛い可愛い……少年。
そのニッコリとした笑顔が天使のようだが、本当は……
「久しぶり、こなっちゃん」
「あぁ、久しぶり…流夏」
…はぁ。流夏が来るなんて。
連絡くらい入れろっつーんだよ。
全く、そのくらいの配慮を持って…
「さっさと中に入れてくんない?」
「はい、どぞ」
玄関に突っ立ていた流夏を中に入れ、私は鍵をかけた。
それを見ていた流夏が眉をひそめた。
…ン?何か?
「こなっちゃんごときが鍵なんか掛けてんじゃねーよ」
「……ぇ」
そ、それどういう意味っすか?
私はあんぐりと口を開けて、自分より少し背の高い流夏を見た。
「だって、泥棒とか来たら…」
「あはは!誰がこんなボロいアパートに金目的で入んの?ホント、冗談きついよ?こなっちゃん」
…うん。こういう奴だった、流夏って。
…あ。紹介が遅れましたね。
コイツ、我が弟の流夏(ルカ)です。
騙されるなッ!このかっわいいー笑顔も声も、全てが作りも…
「何か言った?こなっちゃん」
「…いいえ、何も」
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