恋愛上等!~不良な彼氏~
こんな弟をもつなんて
…悲しいな、お姉ちゃん。
「…チーン(涙)」
「うわぁ!家の中は想像以上だ!」
悲しんでる私を無視した流夏は部屋まで行き見渡すと、一言言った。
ねぇ。それって、ほめ言葉?
外見はボロいから中もボロいと思ったけど、中はそんなボロくない…ってこと?
だったら私、めっちゃ喜ぶ…
「中はそこまでボロくないと思ったのに、想像以上にボロかったや」
「……グッ」
…うん、私がバカでした。
流夏の口から誉め言葉なんて出ないって、私が一番分かってるのにね。
やだな。すぐ帰ってほしいな。
そもそも何しに来たんだよ。
流夏はベッドに座ると、足をバタバタと振り始めた。
マジ迷惑…
「流夏、何か用があんじゃないの?」
私はため息を一つついてから、流夏の向かいに座った。
「弟が姉に会いに来ちゃいけないの?」
流夏は首を傾け、少し目をうるっとさせながら言った。
そんなに可愛く言ったって私は騙されないぞッ!
そもそも私に会いたいなんて思ったことねーだろーがァ!
「まぁ、それは本当に冗談として。僕は伝言を伝えに来ただけー!」
ハハッと笑いながら言った流夏はいきなり立ち上がった。
「な、何…?」
伝言っしょ?わざわざ立ち上がる理由なんてないでしょーが。
私がポカンとしていると、流夏はニコッと笑ってから息を吸った。
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