恋愛上等!~不良な彼氏~
「なぁ奏斗。お前何しに来たの?」
家に入ってからずっと奏斗はテレビに見入っている。
じっと見てるもんだから聞くタイミングが見つからなかったけど、私は思い切って聞いてみた。
すると奏斗はテレビから私に視線を向けた。
「ん?あぁ、野菜渡そうと思って」
…は?
だから何で野菜?
「昨日お前ん家の野菜全部使っちまったからさ」
…え!?それで?
別に野菜があってもどうという訳じゃないんだけど。
だってあんまっつーか全然料理しないし。
意味ねぇーーッ!
「料理ぐらいしろよ」
はぁ。私だって料理したいと思ってるよ?
でもね、出来てたらもうとっくに料理してるから!
私が作ったら凄いよ!
この世の食い物じゃねぇもん。
「自慢することじゃねーだろ」
…自慢したくもなるわ。
「で?野菜渡したんだから用はないんじゃない?」
私はため息と一緒に言った。
もう用はないでしょ。
奏斗は暫く黙り込んだ後私を真っ直ぐ見て言った。
「…別に、よくない?」
…え?
良くないよ?
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