恋愛上等!~不良な彼氏~
「俺のせいなんだよね」
突然、後ろから声がして振り返ると、
明るめの赤に近い茶髪の男の子が腕を組みながら立っていた。
「…誰?」
「君が小夏?」
赤茶の男は私に近付いてきてそう尋ねた。
私のこと、知ってる?
「秋哉から聞いた。奏斗の…アレって」
アレ…?
何?アレって。
分からない言葉に私は首を傾げた。
「秋哉、お前何余計な事言ったんだ?」
今の赤茶の発言に奏斗が反応し、秋哉を睨んだ。
「俺は正直に言っただけだもん」
「あ゙ぁ?」
そのまま奏斗と秋哉の言い争いが始まった。
…元気だね。
奏斗くん、君一応怪我してるよね。
大丈夫なのかい…?
私は奏斗と秋哉の、もはや言い争いではなくなっている喧嘩をぼんやり見ていた。
「俺は律(リツ)。よろしくね、小夏」
喧嘩を見ていた私に、赤茶の男の子はそう言って笑顔を向けた。
「よろしく」
私も笑って答えると、律は私の隣に座った。
奏斗と秋哉はまだ喧嘩してる。
「…で、俺のせいって何で?」
さっき俺のせいって言ったよね?
奏斗がこんな傷を負ったのは律が殴ったから?
「言っとくけど、殴ったのは俺じゃないからね」
…なんだ。
奏斗を殴れるほどすごい奴なのかと思ったのに。
「俺じゃなくて女」
「……」
…すっごい興味あるんですけどォォ!
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