恋愛上等!~不良な彼氏~



「俺のせいなんだよね」



突然、後ろから声がして振り返ると、



明るめの赤に近い茶髪の男の子が腕を組みながら立っていた。





「…誰?」



「君が小夏?」



赤茶の男は私に近付いてきてそう尋ねた。



私のこと、知ってる?



「秋哉から聞いた。奏斗の…アレって」



アレ…?


何?アレって。


分からない言葉に私は首を傾げた。




「秋哉、お前何余計な事言ったんだ?」


今の赤茶の発言に奏斗が反応し、秋哉を睨んだ。


「俺は正直に言っただけだもん」


「あ゙ぁ?」



そのまま奏斗と秋哉の言い争いが始まった。





…元気だね。


奏斗くん、君一応怪我してるよね。



大丈夫なのかい…?



私は奏斗と秋哉の、もはや言い争いではなくなっている喧嘩をぼんやり見ていた。





「俺は律(リツ)。よろしくね、小夏」



喧嘩を見ていた私に、赤茶の男の子はそう言って笑顔を向けた。




「よろしく」



私も笑って答えると、律は私の隣に座った。



奏斗と秋哉はまだ喧嘩してる。







「…で、俺のせいって何で?」


さっき俺のせいって言ったよね?


奏斗がこんな傷を負ったのは律が殴ったから?



「言っとくけど、殴ったのは俺じゃないからね」




…なんだ。


奏斗を殴れるほどすごい奴なのかと思ったのに。



「俺じゃなくて女」



「……」











…すっごい興味あるんですけどォォ!





.
< 94 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop