恋愛上等!~不良な彼氏~
「…グゥー…」
「寝るなァァ!」
「んあ?…話終わった?」
長すぎなんだよ。
眠くなっちゃったし。てか寝たし。
誰もアンタの話なんか聞きたくもないし。
まぁ、だいたいの話は分かったよ。
「どこまで聞いてた?」
「『了解♪』ってとこまで。後は聞いてない」
「そこから聞いてねーの?…って全部聞いてねーじゃんッ!」
だからァ、女の子が持ってたグラスが奏斗に当たったんだろ?
殴り合いじゃねーんだろ?
「殴り合いが良かったわけ?」
「当たり前じゃん」
女の子が怪我させたっつーから殴り合いかと思ったのに。
「小夏って面白いね」
突然律が笑いながら言ってきた。
…私に笑いのセンスがあるってか?
「今までの女の子とは違うタイプ。そりゃあ奏斗も気に入るよね」
話が分かりません。
「お前ら何話してんだよ」
すると奏斗が私たちの間に割り込んできた。
喧嘩は終わったのか?
目をやると、奥の方で秋哉がうつ伏せで倒れていた。
勝者は奏斗か。
「ねぇ奏斗。俺も小夏のこと気に入っちゃった♪」
律はそう言って私の肩を引き寄せた。
「は?」
「え?」
ポカーンとしている私と奏斗に対し、律はニコニコ笑っている。
…気に入られた?
よ、喜ぶことでしょうか。
「さ、サンキュー…?」
喜ぶことなんだよね?
一応お礼は言っとくべきだよね?
「アハハッ!小夏やっぱ面白い!」
律はお腹を抱えて笑い始めた。
「……」
一方奏斗は無言で私を睨んでいた。
「え?何?」
「…別に?何でもねーよ」
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