Cherry


お風呂から出ると


みーくんはリビングで難しそうな本を読んでた



ソファーには毛布がおいてある



みーくんは私に気がついて



「姫もう寝ようか」


「うん」



「姫はオレのベッドで寝な。オレはここで寝るから」



「え、いいよ。私がソファーで寝る」



「だめ。ほら」



みーくんは私の肩を押して部屋に入れる


「あ」



みーくんのベッドルームには



大きな本棚と机



机の上には懐かしい紙粘土で作られた黒猫が置かれてて



壁には幼稚園児が書いた下手くそな絵が貼ってあった




「みーくんこれ…」


私が机の上の黒猫を手に取ると



みーくんが部屋の入り口で



「姫が小学生の時作ったモノだよ」



「あはは下手くそだね…こんなの…飾ってくれてるんだ」



みーくんは口元だけ笑って



「姫が作ってくれたモノだからな」



こんなモノ置いて



まるで、この部屋……



「小さな子供がいるパパの部屋みたい」


そう言って私は笑った



「はいはい。じゃあ、おやすみ姫」



「おやすみなさい……」



そう言ってドアは閉まった




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