Cherry



「……姫?」



みーくんは こっちを向く



だけど、私はみーくんの顔が見られない


うつむいたまま



「私は……みーくんが好き」



緊張して声が震えた


みーくんは何も言わない



「この前、海で話した……私の好きな人は…みーくんなの」



ドキドキし過ぎて胸が痛い



みーくんがどんな表情してるか怖くて見られない



「みーくんが私の事を妹みたいに思ってるって知ってる。けど、どうしても好きなの…」



「姫さ……」


初めてみーくんが口を開く



「男の家に泊まりに来て…そういう事言うと、どうなるか…わかって言ってんの?」



……みーくんの低い声


怒ってる?



「わかってるよ。でも私みーくんじゃなきゃ嫌なの。みーくんが大好きだから私の初めてはみーくんがいい……」



言っちゃった……



どうしよう、これでホントに終わりだ………



ヒザの上で手をぎゅうって握った


ふられちゃう


怖くて肩が震える……



そっと………


みーくんは私の肩を抱いた



………みーくん?



「……キスの仕方も知らないクセに…」


みーくんの手が私の頬にふれて



ゆっくり…ためらいがちに近づいて



優しく



みーくんと私の唇がふれた



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