Cherry


体育の授業が終わって



更衣室で着替える



「あっつ~。夏に400m走らせるって殺す気かっ」



プシュ~

デオドラントスプレーをかける


「あ、南、次貸して」


アッキーに貸してあげると



同じクラスのアユとナナが話しかけてきた



「南。やっぱり白崎と付き合ってんの?」


その一言で


女子の視線は一気に私に向けられる



「違うよ」



私が短く答えると



「違うの?」


「だって、この前も南のためにケンカしたでしょ?」



アユとナナが少し残念そうに言う



「白崎とは友達ってだけだよ」



そう言って
さっさと更衣室を出た



教室に戻ると



「南!飲むか~?」


白崎が
飲みかけのコーヒー牛乳を差し出す



「いらない」



ガタンっ
席について
次の授業の用意をする



付き合ってるって
誤解はされたくない


でも白崎はいいヤツだし



一度、告られてるし


邪険にできない…



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