Cherry
「知りたい」
私は みーくんを真っ直ぐ見つめる
みーくんは困った表情
「オレが姫を好きなのに他に彼女がいた理由を?」
「うん。だって聞かなきゃ信じられないよ…だって、ウマイ話には裏があるってよく言うし」
だって
ずっと片想いだって思ってた
急に
こんなに
うまく いく なんて……
「何だかなぁ。ま、わかったよ……」
みーくんは
恥ずかしそうな表情で
「話せば長くなるけど…」
私たちはベッドに並んで座った
「あれはオレが大学生で姫が小5の夏休み…」
「みーくんが泊まりに来た日の事」
みーくんは私を見つめて笑った
「そうだよ。あの日………」
みーくんは前を向いて
遠くを見るような目をした
それは私の知らない
6年前の暑い夏の日……
嵐の夜の話