Cherry


「和室はお兄ちゃんの仏壇が怖いから」


姫がそう言って


姫の部屋へ行く事にした



姫はもう安心したように
階段を上る


一段、また一段
階段を上って
姫の部屋が近づくたび



オレの鼓動は早くなっていった



姫はベッドに入って


「あ。みーくん、枕持って来なかったね」


そう言った


まだ部屋の入り口にいたオレは


「あ…ああ、取ってくるよ」


そう言ったけど


「ダメ。1人にしないで」


姫はそう言って


「枕はみーくん使って私は腕枕して?」


「はぁっ?」



思わず大きな声が出た


「だめ?」


姫が普通に聞いてくるから



動揺してるオレはバカみたいに思えた



「みーくん、寝よう」


姫のベッドに入るのは


何だかとても
ためらわれて



オレの動悸はピークに達していた



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