Cherry
7月30日
リビングに入って
「お母さん~」
お母さんを呼ぶと
和室のお兄ちゃんの仏壇の前にいた
「何?南」
「今日、夕食終わったら友達の家泊まりに行っていい?」
「友達のお家の迷惑にならないの?」
お母さんは
お兄ちゃんに
お菓子やジュースやら
たくさん
お供え物をあげてる
「大丈夫」
「じゃ、いいわ」
ホッ……
一安心
「今日みーくんの誕生日ね」
思いがけない言葉に
ドキッとした
「あ…そうだね」
お母さんは
お兄ちゃんの遺影を見上げる
可愛い赤ちゃんの写真を
「近いうちに遊びに来てって言ってくれる?プレゼントも用意してるのよ……」
「あ……うん。じゃあメールしておく」
少し動揺する私に
気づかず
「お願いね」
そう言って
ずっとお兄ちゃんを
お母さんは見てた