Cherry
私はアッキーに
ホットミルクを出す
「ありがとう」
そう言って
アッキーは一口飲んだ
「ごめんね。南の彼氏、気を使ったんでしょ?」
「ううん。大丈夫だよ」
アッキーと私は並んで
ソファーに座る
「今日、病院に連れて行かれて…」
アッキーは
ポツリ、ポツリと
話し始める
「8週目なんだって」
お腹を指さした
「超音波見ても、何だか小さな卵みたいで赤ちゃんって感じしないんだけど……」
「うん」
「でも、私の…中に、命がある……」
アッキーのひざの上に
置かれた手が
小さく震えた
私は…そぉっと
アッキーの手を握りしめた
「親が勝手に手術の予約とかして……私たち高校生だから仕方ない……って思ったけど……」
アッキーの目から涙が溢れた
「でも、やっぱり私っ……殺したくない……私の赤ちゃんだもん……」
「アッキー……」
聞いてると
アッキーの気持ちが
痛いくらい伝わって
私も涙が出た