Cherry



私は
みーくんに
ぎゅうって抱きついて



「赤ちゃんかぁ…」


って呟いた



「高校生には大変な事だよな」


みーくんは
私の髪をなでた



「私としては…もう少し早くコウくんがアッキーを安心させてあげて欲しかったな」



私が少し不満そうに言うと



「う~ん。難しいなぁ。男も相当戸惑うし……」


そう
みーくんが言うから


「え~迷わず一緒に頑張ろうって思わないの?」



「男なんて意気地なしだぞ?」



みーくんが笑って言った



え~
なんか納得いかない


「……じゃあ私が妊娠したら戸惑うの?」


私が聞くと
みーくんは優しい声で



「すごい嬉しいよオレはね。………でも………」


「でも?」


「姫はまだ若いから、これから楽しい事がたくさんあるだろう?」


「楽しい事?」


「うん。大学行ったり、遊んだり……でも妊娠したら、そういう時間を奪う事になるから……少し申し訳なく思うよ」



みーくんは
笑顔だったけど
少し悲しそうにも見えた



< 211 / 442 >

この作品をシェア

pagetop