Cherry


「なんで泣いてるの…?」



みーくんは涙を手の甲で拭って



「泣いてないよ…」

そう言った



「なんで泣いてるの?ねぇ、悲しいなら言ってよ……独りで泣かないで……私がみーくんの悲しみ消してあげるよ……?だから……」



そう言う私の横を通りすぎて



みーくんは


「帰れ……」


そう言って部屋の鍵を開ける



「いや……やっと会えたのに…お願い話をしようよ……みーくんお願い……」



ドアに手をかけたみーくんの腕をつかんで




「私……大人になる、大学も行く、みーくんのお母さんみたいに看護師になる……病院の事も勉強する、経営学だって勉強するから……お願い……別れないで……」



涙がポタポタ落ちて


目の前がゆらゆら揺れて


何も見えない……



「お願い……別れないで……みーくんがいないと生きていけない……」



私がつかんでる

みーくんの腕は震えていた



みーくんも泣いてる………



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