Cherry


みーくんは震える手で



私の手を



ゆっくり振りほどいた



「帰りなさい」


涙声で言う



「いやだよ……」



だけど



みーくんは1人で部屋に入ってしまう



ガチャン……


みーくんの部屋が閉まって



「やだ……こんなの…やだ……」



私はドアの前で泣き崩れた



なんで……?


なんで みーくん



どうしてなの……?



「……うっ、うう―――」



ドアの向こう側から


泣き声が聞こえる



みーくんも泣いてる


このドアの向こうで


私はドアに手のひらをつけた



やっぱり みーくんも

悲しいんだ



だったら どうして



別れなきゃいけないの?



「……ふ……うっううう――」



私達は同じ気持ちなのに



なんで今 抱き合えないの…?




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