Cherry
しばらく
ドアの前に座りこんで
泣いていたら
「南……」
お母さんが現れた
「……お母さん……」
お母さんは
みーくんの部屋のドアに
手のひらをつけて
「翠……ごめんなさい」
そう言った
ドアの向こうからは
「姫を……頼みます……」
みーくんの涙声が聞こえた
やっぱり お母さんは知ってる
みーくんが別れようって言った理由
なんで……?
お母さんに抱えられるように
車に押し込まれた
「ねぇ教えてよ…なんで、みーくんがあんなに苦しまなきゃいけないの?」
「…………」
お母さんは何も言わずに
家まで車を走らせた