Cherry


「意外と空いてるね」



「そうだな」




子供の頃



お父さんとお母さんと

みーくんと私


よく来た遊園地




「みーくん」



私は手を差し出す



「恋人同士は手をつなぐんだよ」



私が言って
みーくんの手を握る



「姫、恋人同士は指を絡ませなきゃ」



みーくんは


私の顔をのぞきこんで



指を絡める



ドキン………



私の手から


全身が甘くしびれる


みーくんの手……



私を幸せにする



魔法使い………



「よ~し!ジェットコースター乗ろう!」



「ちょっ……、姫!姫は乗り物苦手だろう?」



「何言ってんの?子供の頃は でしょう?私もう大人だもん。怖くないよ~」




私の言葉に



「………大人?」



みーくんがイジワルそうに言うから



「もう!なんで『?』が付くのよ~」



私がみーくんの胸をたたく



「アハハ…ごめん。はいはい。姫は大人です」



みーくんが笑った




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