Cherry
ナースステーションに戻ると
みーくんは平然とカルテを書いてた
「鈴木先生、何て言ってた?」
里奈ちゃんが聞いてくる
「あ、ちょっとミスった」
私が笑って言うと
「え?南ちゃんが?」
里奈ちゃんは納得してない様子
「………でも……」
次の里奈ちゃんの一言は
みーくんに聞こえてしまっただろうか
「鈴木先生と南ちゃんってどこか似てるよね」
……………え?
その一言に私は凍りついて
ナースステーションの奥で
カルテを書いてたみーくんは
万年筆を落として
床に転がった
「ん~目かな?パッチリしてる所とか」
里奈ちゃんは悪気なく続ける
「鈴木先生と南ちゃん似てるよ」
私は………
「そう?」
一言返すのが やっとだった
似てる?
似てるかな?
今まで考えた事なかった
だけど私たちは兄妹だから
似てて当然なのかも知れない
「鈴木先生、落ちましたよ」
奥の方で
万年筆を
ナースに拾ってもらって
「あ、ああ……すまない」
そう言った
みーくんの声は
震えていた