Cherry


「…起きた?」



上半身を起こすと



みーくんは


ベッドを背もたれにして


床に足を伸ばして座ってた




「ここ…みーくんの家?」



「姫の家知らないから」



そうか……



私、歓迎会で酔って

みーくんが連れ帰ってくれたんだ




なんだか


あんな夢見たせいで


せつない気持ちでいっぱいだよ



唇にはリアルに感触が残ってるし




「気分は?」


みーくんは
こっちを向かずに聞く




「あ、大丈夫だよ」



私が言うと



クルッ

みーくんが振り向いて




「このバカ」



私をにらんで


そう言った



………バカ?



「男に勧められるまま酒飲んで酔って何やってんだよ」




みーくんは


すごい怒ってる



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