Cherry
「鈴木先生」
小宮さんが声をかけると
みーくんが本から顔を上げて
「小宮さん」
ベンチから立ち上がり
小宮さんのまえに
ひざまずく
「お加減はいかがですか?」
必ず患者さんと同じ目線で話す
そんな、みーくんが好き…
って、ときめいて どうする私!
そして みーくんは
小宮さんの車椅子の後ろにいる私をまぶしげに見て
微笑む
ドキッ…
その微笑みは反則だよ……
妹って言った事
まだ怒ってるんだから
プイッ
私はそっぽを向く
…こういう所が子供なんだよね私
みーくんは
そんな私を見て
肩をすくめて笑う