Cherry
「なんで?オレが選んだよ?」
不思議そうな表情で私を見る
「そうだ来月は姫の 誕生日だね。
今度こそ欲しい物 教えろよ」
「欲しい物なんて……ない。」
「遠慮すんなって」
みーくんは私の頭を優しくなでた。
ドキッ……
みーくんに、触れられると
胸が高鳴って顔が熱くなって
好きってバレちゃう
そんな気持ちになる
そっと
みーくんの手を振り払って
「時間、大丈夫なの?バレンタインでしょ。彼女と約束してないの?」
みーくんは腕時計を見て
「じゃ、帰るね。またな姫」
あっさり私に背をむける
「………待って」
1つだけ知りたくて呼び止めた
みーくんは振り向いて
だけど私はみーくんの顔が見られなくて
うつむいて聞いた。
「彼女にも、…バレンタインにプレゼントするの?」
みーくんは、どんな表情だったのかな。
恥ずかしくて見られない
「姫以外にバレンタインあげた事なんて一度もないよ」
きゅぅぅぅん
胸がギュッてなった。
「嘘!今日お母さんに花束あげたって」
「ああ、アレはお土産。だから嘘じゃないよ」
「じゃあ、今日は彼女にお土産持って行くの?」
「……行かないよ」